いつまで経っても他人行儀

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2005.07.10 → 三万円貸し借りデスマッチ 三十分一本勝負
[ルール]
上手く借金を取り立てれたら、金を貸した方の勝ち。
上手く借金を踏み倒せたら、借金してた方の勝ち。

[今日の対戦カード]
金 貸死男(かね かしお) VS 借金踏魅 倒志郎(しゃっきんふみ たおしろう)


ゴングと同時に、金 貸死男が飛び出した。

「おい、先週貸した三万円、返せよ」

「ちょ、ちょっと待って下さいよ~。お金は確かに借りましたけど、今日返すなんて言ってませんよ、僕は」

「うるせえ! 俺が今日返せと言ったら今日返すんだよ。借りた金は返す。これは常識だろうが!」

「常識とか言い出したら、あなた、そもそもお金貸したら駄目ですよ、僕みたいな駄目人間に」

「ちょ、おまえ、何開き直ってるんだよ! 自分で駄目人間とか言ってんじゃねえよ! とにかく返せよ、三万。だいたい、おまえ、三万何に使ったんだよ。生活費か?」

「いや、生活費は親に出して貰ってるんで……。ミサンガを大量に買いました」

「ミサンガて! どんだけ買うんだよ! どんだけ願い事するんだよ!」

「いやあ……買っちゃいました。願っちゃいました」

「買っちゃいました、じゃねえよ! 借りた金だろうが、それ」

「まあまあ、そう怒らなくても良いじゃないですか。ほら、このミサンガあげるから」

「あげるから、じゃねえよ! いらねえよ!」

「ええ~……いや、でも、このミサンガ、僕の願いがたっぷり込められてるんですよ?」

「何でお前が既に願い事してる奴くれるんだよ! 余計いらねえよ! せめて新品くれよ!」

「でも、このミサンガに込められてる願いは、割と普遍的な願いですから、大丈夫です」

「何だよ、普遍的って。世界平和とかか?」

「いや、くるぶしの匂いがチェリーパイみたいな匂いになりますように、って……」

「どこが普遍的なんだよ! いらねえよ、そんな願いが込められたミサンガ! だいたい、くるぶしがチェリーパイみたいな匂いになってどうするんだよ! せめて手の平とかにしろよ! なかなか嗅がないだろ、そんな場所」

「いや、僕は嗅ぎますけど……あっ、じゃあこっちのクールミントガムみたいな匂いになりますように、っていう願いが込められたミサンガでどうですか?」

「余計にいらねえよ! くるぶしがクールミントガムみたいな匂いになったら、靴下脱ぐ度に爽やかな匂いが広がるじゃねえかよ!」

「いや、くるぶしからじゃなくて、肩甲骨からクールミントガムの匂いがするんですよ、この願いは」

「肩甲骨かよ! 部位はどこでも良いよ! だいたい、何でそんなに色んな場所を良い匂いにしたいんだよ! お前は」

「いや、モテるかな、と……」

「モテねえよ! どっちかというと気持ち悪いよ、そんな男」

「そうですかね……あっ、じゃあ、このミサンガでどうですか? 乳首がマリモみたいな匂いになりますように、っていう奴」

「何でお前の願い事は全部匂い絡みなんだよ!」

「いや~……他に思いつかなくて」

「じゃあ買うなよ! そんなに大量にミサンガを」

「いや~……ハハハ」

「ハハハ、じゃねえよ!」

「へへへ……」

「笑い方のこと言ってるんじゃねえよ!」

「ええ~……あっ……じゃあ、このミサンガとかどうですか? これは匂い系統じゃないですよ」

「いや、もうミサンガは良いから! 三万返せよ、とりあえず」

「ええ~……でも、このミサンガに込められた願いは本当に普遍的なものですよ?」

「どんな願いだよ」

「このミサンガが切れませんように、って」

「それ意味ないだろ! ミサンガは切れた時に願いが叶うんだぞ! 切れたら願いが叶ってないことになるし、切れなかったら永遠に願いは叶わないし……」

「矛盾、ですね」

「うるせえよ! カッコ付けてるんじゃねえよ! 良いから早く三万円返せよ!」

「あっ、じゃあ、このミサンガでどうですか?」

「もうミサンガは良いよ!」

「でも、僕、お金持ってませんし……ミサンガ以外、他に何も持ってませんし……ミサンガ食って生きてますし……」

「嘘付いてるんじゃねえよ! 凄い血色良さそうじゃねえかよ、おまえ」

「へへへ……」

「へへへ、じゃねえよ!」

「ケケケ……」

「だから笑い方のこと言ってるんじゃねえよ! もう、とにかく金返せよ! 金が無いなら、親に頼むなり何なりしろよ!」

「いや~……親に頼むのは流石にちょっと。理由が借金返すから、でしょ? 三万円分のアイドルDVD買うから、とかならともかく……」

「何でだよ! アイドルDVDなら良くて借金返済は駄目っておかしいだろ! どんな親だよ!」

「どんな親って……母親はイギリス人で、父親はミサンガ人です」

「何だよ父親ミサンガ人って! お前がどうみても生粋の日本人顔なのに、母親がイギリス人っていう所まではよしんば良いとしても、父親がミサンガ人っておかしいだろ!」

「いやあ……ケケケ」

「ケケケじゃねえよ!」

「ウフフ……」

「だから笑い方のことじゃねえ、って言ってるだろうが! ほんと、好い加減にしろよ、おまえ」

「まあまあ、そう怒らなくても良いじゃないですか。あんまり怒ると血管が切れますよ。……あっ、ミサンガのように」

「無理にミサンガに絡ませなくても良いよ! ほんと、好い加減にしろよ、コラッ!」

「ヒャッ……暴力反対」

「……って、言いながら俺の手首にミサンガ巻きつけてるんじゃねえよ!」

「あっ、失敗した……そのミサンガ、凄い良い願い事してる奴だった」

「マジで? どんな願い事だよ」

「鼻と唇の間の筋から、モーガンフリーマンみたいな匂いがしますように、っていう……」

「どこが良い願いなんだよ! そんなの叶っちまったら、いつでも映画見てる気分になるだろうが! この野郎!」

「痛ッ……あっ……今、僕を殴った衝撃で、あなたのミサンガ切れましたよ……」

「えっ? マジで? あっ……本当だ……うわっ、何か鼻と唇の間の筋から、モーガンフリーマンみたいな匂いがする!」


カンカンカン。

試合終了。

勝者、借金踏魅 倒志郎。
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