いつまで経っても他人行儀

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2006.10.22 → 悪霊
下唇の裏側に痛すぎる口内炎が出来て、そろそろ一週間程度の時間が経過しておりますが、彼(口内炎)ったら一向に消える気配がなく、それどころか先日奥歯の治療のために出向きました歯医者にて、歯を人為的に剥き出しにされましたところ――つまり、下唇をびろんびろんに引っ張られましたところ、物凄く悪化しました。彼(歯医者)は確かに僕の奥歯の痛みを取り除いてくれましたが、しかしそれと同時に、ビリビリと、無自覚なる悪意によって、僕の口内炎を引き裂いたのです。この一連の所作は、まるでSMで申しますところの飴と鞭。僕は今まさに、従順なる奴隷としての第一歩を踏みしめ始めたのです。ちなみに女王様は禿頭のおっさんです。

さて、先日僕は当ブログにて、この口内炎は僕のソウルメイト(ロペス)なのではないだろうか? というような趣旨の主張をさせて戴きましたが、歯医者によって傷口を広げられ、尋常ならざる痛みを常時発するようになりました今、彼(口内炎)は僕のソウルメイトであるどころか、むしろ『悪霊』ではないのだろうか……? という疑いをここに抱くに至りました。

ソウルメイトとは前世からの強固なる絆・縁によって結ばれ、輪廻の渦を超えて尚、出会い、繋がり合おうとする魂の存在であるそうですが、この定義で申しますれば、僕と口内炎がソウルメイトであるには、お互いがお互いを、激しく、強く、求め合わなくてはなりません。けれども、彼(口内炎)はどう思っているか存じませんが、少なくとも今、僕は、僕に痛みを生じさせる彼のことを、ひとつも求めてはいません。

では、彼(口内炎)は一体僕にとって何なのでありましょうか? 輪廻の渦を越え、僕を追い求め、僕に憑依し、そして僕に苦痛をもたらす彼(口内炎)は、僕の貧困な語彙では、『悪霊』と呼ぶ他ないのです。

一体、前世の僕は、彼(口内炎)の前世(ロペス)にどのような酷い仕打ちをしたのでありましょうか。悪霊として今世に発現し、僕にこのような苦痛を与え続けるからには、恐らく僕たち二人の間には、相当な確執があったに違いありません。ロペスの信仰している神を冒涜したのでしょうか? あるいはロペスの肉親を殺害した? ロペスのmixiで卑猥な文章を書きまくった? ロペスがこれ見よがしに胸筋をピクピクさせてるのを無視した? ロペスが大事にしているアイドルの写真集の全ページにラム肉を挟みこんだ? ロペスが実は宇宙から地球に性転換しにやって来た宇宙人だという噂をばら撒いた?

……推測は幾らでも可能ですが、しかしそれが一体どのような意味を持つのでありましょうか。例えそれらの推測が現実を射抜いていたところで、僕が前世にロペスに行ったであろう、許され難い咎が掻き消える訳ではないのです。僕は、悪霊と化した彼(口内炎:ロペスの霊)の発する憎しみの心を真摯に受け止め、下唇の裏側の疼きを甘受し、それを己が贖罪とするべきなのでありましょう。

けれども――前世の僕が犯した罪は、果たして現在の僕をも拘束し得るのでしょうか? そもそも、アダムとイヴが神に背いて禁断の果実を口にするという原罪を犯したその時から、人はその存在自体が罪深きものであり、今更ロペスにとやかく言われる筋合いとか無いんじゃねえの……?

―――――――――――――――――――――――――

そうなのです、僕は全く前世に縛られる必要もないのです!
という訳でして、僕は早速このロペスの悪霊を成仏させる為に、祭祀を執り行いました。細部は省略致しますが、部屋の中で聖水を振りまいたり、全裸になって部屋の真ん中に立ってみたり、蜂蜜を口内炎に塗りたくったりしたのですけれど、お恥ずかしい話、最後の蜂蜜が尋常じゃないくらいに口内炎に沁みて、マジでちょっと涙が出たのですが、これは、きっと前世の罪が洗い流された浄化の涙です。では、飽きたし眠いので終わります。さようなら。
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(01:24) 日記 / トラックバック(0) / コメント(5) /
2006.10.17 → ソウルメイト
風邪をひいて免疫力が落ちた為なのか、あるいは僕にそれを作り出す先天的な才能があった為なのかは存じませんが、口の中に凄く痛い口内炎が出来ました。このような事柄は皆様にとって、心底どうでも良い情報にカテゴライズされるものだとは思いますが、しかし厳然たる事実として、僕の口の中には口内炎が出来てしまったのです。

ライオンなどの獰猛な肉食獣においてさえ、例えば口の周りに何らかの棘が突き刺さった場合、その痛みを忌避する余りに獲物を狩ることを放棄し、遂には餓死に至ることがあると言いますが、今の僕はまさにそのライオンであり、朝・昼・晩の食事は一切受け付けず、ただただ痛い痛いと心の中で呟くばかり。この口の中の小さな小さなポッチに、僕は今、生殺与奪の権利を握られていると言えるのです。

こうなってしまいましては、僕の18時間ほどある一日の生活は、全てこの小さなポッチを中心に回り始めます。休日に外出し、繁華街に繰り出し、喧騒の渦の中に身を置こうとも、その心中を支配するのは、たったひとつのポッチから発せられる疼痛である。ならばと、逆に家に篭り、書物を紐解き、活字の海に身を浸し、思索の旅に出ようとも、小さなポッチが放つ痛みは、どこまでもどこまでも僕を追いかけ、やがて僕の意識は遥か彼方より、下唇の裏側へと収束されてしまうのです。

そんな訳ですから、自然、誰かと会話(メッセンジャー)をしていても、口内炎の痛みに支配されております僕の脳髄は、
「口内炎が痛くって……」
「口内炎って辛いんですよ……」
「口内炎って英語で何て言うんだろう……?」
「この口内炎は多分、ロペスっていう人の生まれ変わりだと思う」
「ロペスは過去世の僕の恋人。だから、この口内炎は僕のソウルメイトなんだ」
などというような会話しか選択することが出来ないというのも、全く無理からぬことであるといえます。

ところで、人の印象は見た目と会話によって決定されると言えますが、気持ち悪い容姿と、口内炎の話しかしない僕の印象は、果たして彼や彼女達にとって、一体どのように規定されているのでありましょうか。
【口内炎マスター】あるいは【口内炎の貴公子】【ファントム・ザ・口内炎】などになっているという、希望的観測も行なえなくはありませんが、ここはあくまでリアリスティックに思考してみますに、恐らくは【気持ち悪い人】という、絶望的なまでのバッサリ具合であることは想像に難くありません。

こうして僕は、口内炎に体を籠絡されたばかりか、遂には極微量に残っておった人望すらも奪われてしまったのです。嗚呼、しかし、これ程の辱めを受けても、それでも尚――僕はまだ「口内炎が痛い……」と言い続けたのです。何故ならば、事実とても下唇の裏が痛かったからであり、またそれ以外に彼や彼女達との会話の糸口が掴めなかったからなのです。

そして、ハムを持ってくる人が【ハムの人】と呼ばれるこの世界において、それは当然ともいえる帰結として、僕は遂に【口内炎の人】として認識されるに至りましたので、その瞬間、過去、彼や彼女の中に確かに居たであろう【僕】は死滅し、【口内炎】へと転生しました。こうして、僕と彼(口内炎:ソウルメイト:ロペス)の魂はひとつになったのだった。やったー。
(02:46) 日記 / トラックバック(0) / コメント(3) /
2006.10.02 → 少女漫画レビュー その98
【少女漫画レビュー】

当ブログではすっかりお馴染みとなって参った感のあります、「今日の少女漫画レビュー」ですが、今回は先日発売されたばかりの、この作品を取り上げちゃうぞ!

『フラーフープに興じる彼女、置石を始める彼』
全一巻
ふくら剥ぎ太郎著 御夫人出版社





【ストーリー概要】

ついつい唇が乾燥しがちな主人公、北路大子(ほくろ おおこ)は、元気一杯の高校二年生。唇のひび割れに悩まされつつも、趣味の顔面体操に勤しむ大忙しの毎日を送っている。
そんなある日、彼女はふらりと立ち寄ったスポーツショップで、フラフープの万引き犯に間違われてしまう。

なんとか誤解を解こうと、必死で「腰骨が上手い具合に折れているので、フラフープは無理」という旨の嘘をつく大子だったが、警備員が偶然にも整体士の資格を保持していたため、余計に言い逃れの出来ない状況へと追い詰められてしまう。

窮地に陥った大子。だが、そこへスポーツショップのアルバイト店員、志染隙男(しじみ すきお)が現れる。
「彼女は犯人ではありませんよ……何故なら、僕が見たところ、彼女の腰骨は上手い具合に折れていますからね……」

結局、防犯カメラの映像が決め手となり、無事に無罪放免となった大子。しかし、それから数ヶ月が経過しても、大子はあの時、自分をかばい嘘をついてくれた彼(隙男)のことが忘れられずにいた。
隙男の顔ばかり浮かび、勉強にも顔面体操にも全く身が入らない……そんな状況に業を煮やした大子は、遂に学校を辞めて、あのスポーツショップで働く決意をするのだった。

しかし隙男はその時、全く同じ漫画の全く同じ巻を、誤って二冊も購入してしまい、激しい自己嫌悪に陥り、自宅に引き篭もっているのだった。
そうとは知らない大子は、学校に提出する退学届けを書き始めてしまう。

やがて、二人のすれ違う思いは思わぬ事件(お気に入りのマグカップ割れ事件)を引き起こしてしまい……


―――――――――――――――――――――――――――


少女漫画作品の価値を決定付けるのは、勿論ストーリーも大切ですが、何といっても主人公の女の子に魅力があるか! ですよね。その点、今作の主人公、北路大子は飛びぬけていると言わざるを得ません。

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こんな可愛い女の子に、こんな表情をされてしまったら、大半の男性はイチコロです。
ところで、彼女の体はほくろの数が尋常じゃなくて、最初はまるで皮膚病のように見えますが、数コマで慣れますし、むしろ、ほくろの一つ一つがとても愛しく感じられ出します。


しかし、大子はただ可愛いだけではありません。時にはこんな大胆な行動に出ることも……

Pim0004_320.jpg


↑第一話の序盤、寝ている父親の顔に醤油を垂らす大子。
この後、父親は失踪してしまうので、以後、大子は母方の祖母に醤油を垂らし始める。



そんな悪戯っ子な彼女も、物語のターニングポイントとなる、万引き犯と間違われ事件の時には、とても不安そうな表情を垣間見せます。

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しかし、可愛い女の子というのは、困った顔もとても素敵なんですよね。本当に、この今にも壊れそうな儚げで憂いを帯びた表情を独り占め出来るだなんて……この警備員が羨まし過ぎる!
……決めた! よーし! 僕、将来、警備員になる!


そんな大子の、心と体を奪う憎い奴がこいつ↓です。

20061003020043.jpg


三度の飯よりシジミ入りの味噌汁が好きという隙男。そんなにシジミが好きなら、シジミと恋仲になれば良いのに……! 返せ! 僕らの大子ちゃんを返せ……!


どうやら、作者のふくら剥ぎ太郎さんもそのように思った一人のようで、作中では、なかなか大子と隙男の関係は発展しません。少女漫画としては驚くべきことに、何とラスト三ページに至るまで、二人はそれぞれ別々に行動しているのです。

大子は高校を辞めようとしたり、それを説得しようとする祖母に醤油をかけたり、プチ整形を繰り返したり、ガチャガチャで二千円使ったり、背伸びしてアキレス腱を切ったり、唇の乾燥がピークに達したりする。

隙男は漫画本のせいで引き篭もったり、スポーツショップのアルバイトを首になったり、漫画を読んだり、漫画を読んだり、漫画を読んだり、漫画を読んだり、シジミが主役の漫画を描こうとしたり、漫画を読んだり、足首を捻ったりする。


しかし、ラスト三ページにおいて、二人は遂に劇的な再会を果たすのです(どのように再開するかはコミックを読もう! 感涙必死だぞ!)


そして……


最後に待っているのは、お約束のキスシーンです。最後の劇的な再開シーンの直後ですから、このキスも頷けてしまいます。

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更に……





続けざまの爆発、です。

キスした直後に爆発してしまう二人。
これによって、二人は時の経過や世間のしがらみなどから開放され、高度なまでに結晶化された純愛を保持したまま、永遠へと昇華されるのです。

―――――――――――――――――――――――――――

僕はそれほど心の温かい人間ではありませんので、普段、漫画や映画などで泣いたりすることは殆どないのですが、この作品のラスト三ページから始まる二人の再会には、不覚にもボロボロ涙が出ました。

最後の最後、大子が隙男に言った「やっと見つけた……!」という台詞。
しかし、実のところ、隙男にはこの台詞の重みは解らないのです。

それが解るのは、この作品を読んで来た読者――大子が一体どれ程、一途に隙男を思い続けてきたか……それを見守ってきた読者だけが、この短い台詞に込められた真の意味を理解出来るのです。


『フラフープに興じる彼女、置石を始める彼』は絶賛発売中ですッ!(\50,000)
(02:07) その他 / トラックバック(0) / コメント(6) /
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