いつまで経っても他人行儀

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2007.04.15 → 少女漫画レビュー その99
当ブログのメイン記事であります「今日の少女漫画レビュー」も今回で遂に99回目ということで、今回は最近巷で噂のこの作品を取り上げてしまうぞ!


『教祖だって恋したい!』
全一巻
著 ふくら剥ぎ太郎  刊行 御夫人出版社 
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【ストーリー概要】

高校二年生の京素 喜子(きょうそ よしこ)は、何処にでもいるような平凡な女の子。
でも、実は喜子にはひとつだけ、普通の女子高生とは違うところがあった。何と彼女……噂のカルト教団「ピチピチパンタロン教団」の教祖なのだ!

昼間は女子高生として、勉強や部活に取り組む。
夜は教祖として、信者を励ましたり、御神体である水島新司の写真を拝む。
そんな二足のわらじ生活を送る喜子。

しかし、いつの頃からか彼女の心の内には、教祖として抱いてはいけない、あるモヤモヤとした想いが渦巻くことになる。
それは、部活の先輩、加治木 真具雄(かじき まぐお)のふとした一言がきっかけだった。
「喜子ちゃんの髪の毛って、マグロの漬けみたいな良い匂いがするよね」

そのモヤモヤした想いが、真具雄に対する恋心だと気付くのに時間はかからなかった。
しかし、教祖として、水島信司以外の男性を好きになることなど許される筈もない。
必死に恋心を抑えながら、教団の目的である、水島新司の漫画しか存在しない世界――『シジマの世界』の創造に打ち込む喜子。
しかし、真具雄に対する恋心は日に日に強くなっていくのだった。

そんなある日、集英社を狙ったテロ(少年ジャンプのアンケートに「テニスの王子様に出てくるキャラクターを、全部ドカベンそっくりにして下さい」と書いて送る)を画策した信者の一人が、少年ジャンプの万引きで逮捕されてしまう。
教団を揺るがす事件に、信者からは教祖である喜子の力量を疑問視する声が上がり始める。
――私は教祖失格なのだろうか……。

失意の中、それでも学校に通う喜子に、真具雄が声をかける。
「そんな死んだマグロみたいな目をして、どうかしたの……?」
その瞬間、喜子の抑えていた想いが爆発する。

教祖だって……教祖だって……恋がしたい!

「好きです。あなたのことが、大好きです……」

―――――――――――――――――――――――――

ふくら剥ぎ太郎先生といえば、可愛い女の子を描かせたら天才的な漫画家ですが、今作でもその才能は遺憾なく発揮されています。
女子高生と教祖という、ふたつの顔を併せ持つ主人公・喜子ったら、かのレオナルド・ダヴィンチの傑作、モナ・リザを彷彿とさせる可愛さ。
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その黄金率だか黄金比だかを保持した顔は、まさに神に祝福されたものであるといっても過言ではないでしょう。こんな教祖がいるなら、今すぐにでもピチピチパンタロン教団に入りたい!

さて、そのピチピチパンタロン教ですが、一体どんな活動をしているのかというと……

・信者全員が履けるか履けないかギリギリラインのパンタロンを履いて、足をほっそり見せてしまう。

・水島新司の名作コミックス「ドカベン」では、主人公達がとんでもないルールの柔道をやっている初期の辺りは存在しないことにする。

・教祖・喜子が安物の豚肉を、信者の額にパチーン! パチーン! と貼り付けていく。
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豚肉を額に貼り付けられ、恍惚の表情を浮かべる信者達は、この後五万円ほどのお布施を求められるのですが……そりゃこんなサービスが受けれるんなら、喜んで五万円くらい払っちゃいますよね(笑)

そんな教祖・喜子だって女子高生。昼間は学校に通い勉強に、部活に勤しんでいるのです。喜子が所属している部活は天体観測部。そう、喜子はとってもロマンティストなんです。

そして、この天体観測部で喜子は真具雄と出会うのです。
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(真具雄が部長になってから、天体観測部は廃部の危機に陥っている。ちなみに、肩の奴はカジキマグロの頭部を利用したもの)

この真具雄、マグロが好きで好きで仕方なくて、ポケットには常にマグロの切り身を忍ばせており、しょっちゅうその匂いを嗅ぐことを生甲斐にしています。幾ら今まで男性と接したことがないとはいえ、喜子は何でこんな男を好きになっちゃったんだろう……。
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(マグロの切り身を匂う真具雄)

それでも、好きになってしまったものは仕方ありません。抑えようとしても無理なのが、恋心というものなのですから。
本当に、この辺りの恋にもだえる女性心理の描写が、ふくら剥ぎ太郎さんは天才的に上手いんですよね。
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(ベッドの上で身悶えする喜子)

特に物語の中盤、二人が魚市場でデートをする辺りは、ドキドキさせられっぱなしでした。
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(待ち合わせ場所でドキドキする喜子。初めてのデートに凄く緊張しているのが解る)

グングン近づいていく、二人の距離。
しかし、物語は残酷な展開を迎えることになります。
それは――真具雄の死。

何と、マグロの切り身を守ろうとして、真具雄は無残にも飼い猫に八つ裂きにされて死んでしまうのです。
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悲しみに泣き濡れ、見る影もない程にげっそりと痩せ細る喜子……。
しかし、たったひとつだけ、真具雄ともう一度言葉を交わす方法がありました。

それは、神様である水島新司にお願いし、真具雄を蘇らせること。

しかし、それは同時に、ピチピチパンタロン教において、最大の禁忌でもあったのです。
それでも、喜子は水島新司プロダクションへと走ります。教祖としてではなく、一人の女性として……。

そして、喜子は遂に真具雄を蘇らせることに成功します。
それは、真具雄を主人公に、喜子をヒロインにした野球漫画を水島新司に描いて貰うことによって成される蘇生術……喜子は遂に漫画の中で、真具雄と永遠に結ばれることになったのです……。

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(物語のラストシーン。劇中劇という、入れ子構造のシーンによって、この漫画はエンディングを迎える)

喜子の取った行動が、果たして正しいものだったのかどうかは解りません。喜子は真具雄の死を受け止め、それでも現実を生き抜いていくべきだったのかもしれません。禁忌を犯した喜子は、もはや教祖に戻ることも出来ないでしょう。
しかし、それでも彼女は、初めての恋を――真具雄と共に生きる世界を――選択をしたのです。
例え、それが水島新司先生の描いた漫画の世界の中だったとしても……。

人は、どこまで人を好きになることが出来るのか――ふくら剥ぎ太郎先生は、この物語を通して、それを探ろうとしたのかもしれません。
二人の純愛に滂沱の涙を流すこと必死な『教祖だって恋をしたい』は絶賛発売中です!(¥150,000)
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(05:07) 日記 / トラックバック(0) / コメント(6) /
オフ会のお知らせ / HOME / 匂いに関する記憶とリサイクルについて
↑を本文としてください
2007.04.15 (14:36)/ URL / #- / [ 編集・削除 ] /
ゆうメイトになりました みやたさん
 扉絵に描かれた主人公2人の股間を合わせることで、この世の森羅万象を顕わす大極図(今さっきウィキペディアで調べた)ができ上がるというのは実に示唆的だと思ってあげます。
 自分の理想の恋愛を漫画に描いて実現してしまおうという悲しい発想に大きな共感を覚えました。15万は安い!(ワンルームの敷金としては)
2007.04.15 (14:43)/ URL / #DzVePD6I / [ 編集・削除 ] /
 ズィロさん
はじめまして(かな?)

私のブログで
ここの記事を紹介させていただきました。

紹介記事は
http://blog.livedoor.jp/zero_love/archives/53826557.html
です。

よろしくお願いいたします。
2007.04.15 (15:31)/ URL / #- / [ 編集・削除 ] /
 ボンさん
お久しぶりです。
びんちゃんさんの絵、随分進化なさいましたよね…。どれも今にも動き出しそうです。
噂ではすでに漫画の中のキャラクターが夜な夜なひとりでに動きだし、びんちゃんさんのパソコンのブックマークにいたずらしているとか…。
あなおそろしや
2007.04.15 (22:59)/ URL / #- / [ 編集・削除 ] /
話題の感動作 凄い電球さん
これが今、大阪の四天王寺周辺で超話題になっているふくら剥ぎ先生の作品ですね!もう表紙を見ただけで涙です。これが涙‥?

魚のマグロに恋する乙女のお話ですよね?
2007.04.16 (01:55)/ URL / #bNXzFvzo / [ 編集・削除 ] /
お腹が痛い びんちゃんさん
一騎さん>

こんにちは。
「↑」を本文として下さい、という一騎さんの今回のコメントで御座いますが、これはコメントのタイトルを本文として捉えて下さいということなのでありましょうか。
そうだと致しますと、「どうもお褒め戴いてありがとう御座います」ということなのでありますが、しかし万が一、この一騎さんのコメントが「↑」という、上向き矢印を本文として捉えろ! という意味合いなのだとしましたら、話は少しばかり違って来てしまいます。
その場合は先ず、「↑」←これの持つ意味から考えなくてはならず、そして僕にはその「↑」の持つ意味が、はっきりとは解らないのです。
「テンションが上がっていることを指し示している」
「僕が先端恐怖症であることを期待している」
「フロイトのいう、リビドーを示している」
などといった仮定は可能ですが、それらはあくまで推論の粋を出ず、一騎さんの伝えたかったメッセージは、もっと想像の埒外にあるものである可能性こそが、非常に高いと言わざるを得ないでしょう。
まったくコミニケーションっつうのは難しいもの。僕に友達が出来ないのも、そりゃ頷けるというものです。


みやたさん>

こんにちは。
実はゆうメイトには僕も過去に応募したことが御座いまして、しかし、応募してからというもの全く連絡がなく、挫折。
それから一ヶ月後くらいに「面接するから来てちょ」といった旨の葉書が届き、刹那的に生きております僕が、無論そのような過去のことなど覚えておる筈もなく「変な手紙が届いた!」と大騒ぎし、狐付きのようになって家族を怯えさせたこともありました……そんな私も今では二人の子供の母親として、立派に主婦してるんですから、人生って解らないものですよね(笑)

ちなみに、ふくら剥ぎ太郎さんのデビュー作は、自身を主人公にした恋愛物語(主人公の男性が色んな女性とKISSしまくる作品)だったそうだぞ!


ズィロさん>

こんにちは。
ズィロって発音し難いので、二郎に改名してください。
さようなら。


ボンさん>

こんにちは。
最近僕のお気に入りに入っておりますブックマークが、実に覚えのないものばかりだとは思っておりましたが、なるほどこれは僕の絵から抜け出して来た漫画のキャラクターの仕業であったとは、まったく思いもしませんでした。
てっきり妹による嫌がらせの類であると思い込んだ僕は、ここ数日、妹のカバンに大量のマーガリンを塗りたくったり、妹のジャケットに画鋲を大量に貼り付けてみたりしておったのですが……。
でも、まあ、妹ったら、カバンの方は「やった! 使い込んだら思いもよらない光沢感が出た!」と喜び、ジャケットの方は「やっほぅ! 使い込んでたらジャケットがブツブツになって来たぞ!」と喜んでおりましたから、これは災い転じて福と成す、罪の意識に囚われずにすんで、本当に良かったと思っております。
ちなみに、今回の絵は、ふくら剥ぎ太郎先生のものですので、その辺りはどうぞお間違えのないよう、宜しくお願い致します。


凄い電球さん>

こんにちは。
ざっくり申しますと、魚のマグロに恋をしているのは、乙女の方ではなく男性の方でありまして、実は喜子の恋は一方通行のものだったのです……!
その辺りの悲恋が、実はこの話の中には潜在しているのですが、しかし喜子はそのことには全く気付いていない……作中でも、その辺りは深くは掘り下げられていませんが、これは明らかに確信犯的なものであるといえましょう。
ふくら剥ぎ太郎先生は、どこかドライな目で、女性というものの持つ、盲目的な気質を捉えている。そして、それこそが先生の少女漫画が発する、独特の魅力に繋がっているのでしょうね。
2007.04.22 (05:24)/ URL / #kpr1dOdg / [ 編集・削除 ] /






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